とんでもない部長

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   「玉木くーん!」 背後に忍び寄る影。 そして、鼻息荒くしながら掛けられる声に、呼ばれた俺は内心で『やってきてしまった……』と思いながら、身構えて振り返る。 「ああ……村中部長、おはようございます」 「おはよう。朝から仕事熱心だねぇ、キミ」 振り返るとバーコード頭が目に飛び込み、俺のテンションがだだ下がり中なのに、部長はふくよかな体型を俺の身体へと近づけてくる。 マジで、勘弁して欲しい。 「あー、はい。今週までにやらないといけない報告書があるので」 引きつりながら、無理に笑って、村中部長の相手をする俺。 対する部長は、鼻息荒くして、俺の肩に手を置いてきた。 あー、朝っぱらから、厄介なのに捕まった……早くも気力が削られそうだ。 「所で、来週あたりは夜、暇かね?」 「あー、出張が入ってまして、まだなんとも……」 掛けてる眼鏡をキラーンと光らせながら、問いかける村中部長を見て、若干身の危険を感じた俺は、曖昧に返事をする。 なんか、やたら肩に置いた手で俺の身体を撫でてくるし……。 「そうか、キミとご飯でもと思ったんだが……」 「あー」 マジ、厄介! どう切り抜けるかな~と困っていた俺の元へ、タイミング良く救いの声がやってきた。
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