4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
関西弁で喋るせいか、気さくな田上先輩はよく冗談を言うし、絡みやすい。
面白い人だと思っているけど……冗談が過ぎる時もあって、年下ながらも先輩を怒る時が何度かあった。
「玉木ー。イケメンは大変やな! 村中部長、しょっちゅう触ってきよんやん」
「はぁ……勘弁して欲しいですよ。さっきは、有難うございました」
とはいえ……今日は田上先輩に救われたから、お礼を言った。
「まぁ、しゃーないよな! 隣の課の桜井も、狙われとるらしいで」
バシバシ肩を叩きながら、先輩がいった。
「へぇ……」
ちなみにその桜井は、俺の同期の奴だ。
人当たり良くて、仕事でも上手く立ち回れている奴だが、課は違えど部としては同じなので、俺は若干ライバル視している。
「こないだな、残業して仕事してたら、後ろから村中部長に抱きつかれたらしいで。めっちゃ怖いって、ゆーてたわ」
「うわっ……ヤバッ」
田上先輩が大げさに肩を震わせながら言ったのを聞き、俺も寒気が走った。
身体撫でられるだけでも勘弁して欲しいのに、抱きつかれるなんて、本当に最悪だ。
俺も、可能性としてはありそうだから……気を付ける事にしよう。
最初のコメントを投稿しよう!