とんでもない部長

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   関西弁で喋るせいか、気さくな田上先輩はよく冗談を言うし、絡みやすい。 面白い人だと思っているけど……冗談が過ぎる時もあって、年下ながらも先輩を怒る時が何度かあった。 「玉木ー。イケメンは大変やな! 村中部長、しょっちゅう触ってきよんやん」 「はぁ……勘弁して欲しいですよ。さっきは、有難うございました」 とはいえ……今日は田上先輩に救われたから、お礼を言った。 「まぁ、しゃーないよな! 隣の課の桜井も、狙われとるらしいで」 バシバシ肩を叩きながら、先輩がいった。 「へぇ……」 ちなみにその桜井は、俺の同期の奴だ。 人当たり良くて、仕事でも上手く立ち回れている奴だが、課は違えど部としては同じなので、俺は若干ライバル視している。 「こないだな、残業して仕事してたら、後ろから村中部長に抱きつかれたらしいで。めっちゃ怖いって、ゆーてたわ」 「うわっ……ヤバッ」 田上先輩が大げさに肩を震わせながら言ったのを聞き、俺も寒気が走った。 身体撫でられるだけでも勘弁して欲しいのに、抱きつかれるなんて、本当に最悪だ。 俺も、可能性としてはありそうだから……気を付ける事にしよう。
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