とんでもない部長

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   「自分も気ぃつけーやー」 「分かってますよ。後、あんまり社内の人に言いふらさないでくださいよ?」 ケラケラと他人事で笑う田上先輩を少し睨みながら、念のため口止めしておいた。 冗談でも、皆の前で冷やかされるのは嫌だからだ。 「分かっとるわ」 半笑いで返事した先輩を、信じ切れなかったけど、始業時間になったからデスクに戻った。 *** 「玉木くーん、キミ、いいケツしてるねぇ。ペローンって、されとってんで」 「ぎゃはは! 田上さん、止めてくださいよー。玉木さんが、可哀想ですって」 「だって、ホンマの事やもん」 あー……やっぱり。 昼を先輩達と食べに行き、トイレから戻ってきた俺は、呆れて物が言えなかった。 口が軽い先輩だから、口止めしてもあまり意味がないとは思ってたけど、今日の今日で早すぎだ。 「今日は3ペローンぐらいされてたなぁ」 「ぎゃはは!!」 喋る先輩も先輩なら、それを聞いて盛り上がってる方もどうかと思う。 「それにしても……村中部長、結婚してますよね? 何でイケメンばっか狙ってペローンしにくるんですかね?」 怒りでわなわなしていると、笑ってた奴等のうちの一人が、そんな疑問を漏らした。
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