第1章

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数キロなら、爆発規模の大きな核弾頭を使う事で、効果を得る事が出来るという訳だ。 広島型原爆の数十倍とか数百倍だとかいっても、効果の範囲がそれだけ広い訳では無い。 広島型が半径2キロ弱で、その百倍だからといっても、せいぜい半径10キロ程度だと言われている。 勿論これは、瞬時に殺傷して戦闘力を奪う半径で、放射能の被害で、翌日以降に亡くなる人間は含まれてはいない。 誤差数キロなら、この核弾頭を使う事で、確実に効果を得られるのだから、核弾頭の大きさが問題にされる訳だ。 大きな核弾頭は、当然破壊力も大きくなっているから、頑丈な地下施設に対しても効力が増すという事になる。 この巨大な核弾頭を絶対に阻止するためには、それを迎撃するミサイルが1発では安心出来ないし、迎撃ミサイルの先端部分からミニ迎撃ミサイルが十数発飛び出したとしても、相互の相対的速度を考えたら(多分迎撃のピンポイントは1秒の千分の1程度の時間だろう)、とても無理だという事が理解できただろうか? だから多数の迎撃ミサイルを発射するのが、軍事的常識なのだ。 アメリカの迎撃ミサイルの韓国配備を中国が嫌がっているのは、実は簡単な話しで、核弾頭を着けたミサイルでも、発射から暫くの間は速度もそんなに速くは無いから、成層圏到達後の数分までなら迎撃が可能だという事だ。(戦略ミサイルは、早く成層圏に到達する為に、垂直に近く打ち上げる。迎撃ミサイルは垂直でなければ、速度は早く最高速度に達するから、遅い戦略ミサイルを、早い迎撃ミサイルが打ち落とす型になる。目標に近付き、成層圏から落下する時点では、戦略ミサイルの方が迎撃ミサイルよりかなり早い。) だから中国の旧満州地域からの戦略ミサイルは、この迎撃ミサイルで破壊されるかも知れないから、中国は反対していた訳なのだ。 このように、韓国配備の迎撃ミサイルは、それなりに役に立つ可能性はあるのだが、では日本の場合はどうだろう? 北朝鮮のミサイルに備えてって安倍首相は力んで言っていたが、これは真っ赤な嘘。 日本の迎撃ミサイルは、空対地&地対地&艦対地&巡航ミサイル用であり、対戦略ミサイルとして使うには、先ず射程距離が15キロしかないから足りないし、速度も戦略ミサイルより滅茶苦茶に遅いから足りない。 そして数も足りない。
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