キャンパスライフは染まらない

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いや、でも、これは菊地先輩と一緒に園内をまわるチャンスかも。 大学の選択授業の一環で、歴史的建造物の集められたテーマパークへやってきたものの、あまり受講生は少なく、十人に満たず、八人だけ。 で、そのうちの、キャッキャウフフな浮かれた五人組は勝手にまわるようで、残るは三人。 私と、菊地先輩、それと、菊地先輩の幼なじみの綾津君。 気さくな青年で、人見知りな私もふつうに接している。 それどころか、私の気持ちを知っているようで、なにかとアシストしてくれることも多い。 「じゃあ、まあ教授は俺が見とくからよ。 菊地と前山は二人で見てこいよ」 ナイス綾津! ハゲと違って、ほんとに出来るやつだな。 今度、缶ジュースでもおごってあげるからね。 「あ~でも、そうすっと綾津が見て回れないだろ。 俺が見とくわ」 あぅ、自分はいいからと、嫌な役を率先して引き受けようとする先輩。 優しさのオーラみたいなものが溢れ出てます。 でも、それだと私が先輩とまわれないです。 「いや、ふつうにガキの頃から何回も来てるし、今さらだから、俺はいいわ。 ほら、さっさと前山連れて行ってこい!」 ほとんど強引にだけど、私と先輩を押し出した綾津君。 うん、うまい棒もつけてあげるね。
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