遺書

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私は以前あるスーパーの支店長をしていました。 あれは五月のゴールデンウィーク明けのことでした。 「今日からこちらで働くことになりました。設楽孝子と申します。仕事に出るのは独身の時以来ですので、皆さんの足をひっぱるかもしれませんが、ご指導のほどよろしくお願いします」 その日からパートとして入った設楽孝子は四十代の主婦。 子育てに一段落し、また子供の学費の足しにと、私の働くスーパーのレジ係になりました。 人あたりの良さそうなオバサンといった彼女。 彼女の言うように、確かに仕事の覚えが悪かったりミスが多かったりしましたが、その人あたりの良さにより、他のスタッフとの相性は悪くありませんでした。
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