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……中学生?……
生きてるの?
……それとも?ーーー
ピンポーン……!
バクバクいう胸に手を当てて、鳴らされたインターホンのカメラに、息を殺してそっと顔を寄せた。
スリッパの音も聞こえそうなので脱いで裸足で忍び寄る。
いつも夜に現れる″気配″は、私の気配に気がついたのか、顔を上げてグッと近付いてくる。
ドアップでカメラに映るその顔は……、
「……!!」
悲鳴をあげたはずなのに、声さえも奪うほどの衝撃をもたらした。
白い顔ーー
前髪重めのボブカット……。
そこから浮き出した何か言いたげな大きな眼。
ピンポーン!
再び鳴らされたベルの音ににビクッ!となった私は、うずくまってその恐怖から逃げた。
……嘘でしょ?
今の、なに?
唇も、指も、足も。
身体の震えが止まらない。
今見たものが夢なのか、幻なのかそれとも現実なのかも判断できない。
カメラに映っていた少女が、昔の私にソックリだったからだ。
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