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そこに、更に他の男子生徒が話に入り込んできた。
「もう一人の自分がいるとか、それを見たら死ぬとか科学的にはあり得ない」
そんな断定的な言い方をするのは、
キャンバスに青い花瓶とリンゴをデッサン中の有本くん。
確か、下の名前は……、
「出たぞー現実主義の真次くん」
そう。
有本真次くん。
「俺は根拠の無い話が嫌いなだけだよ」
17歳には見えない大人顔と、色素の抜けたような茶髪が印象的な男子生徒。
私が彼の名前を直ぐに思い出したのは、
職員室で良く先生たちが話題にしていたからだ。
「学年トップの有本真次が新しい部を立ち上げたらしい」
「へえー、あの文武両道の有本が何を始めたって?」
「心理学研究部だと」
「……これまた高校の課外活動にしては珍しい……」
「長けた頭脳をモテ余した結果だろう」
ーー私立高校 清鎮学院の
【心理学研究部】
たった一人の部員。
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