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彼の描く花瓶や果物は、丸みが消されてカクカクと尖った印象。
現実主義なのに、描くものは現実離れしてる。
下手に見せているけど、本当はとても絵がウマイはずだ。
殆ど口をきいたことの無かった生徒だけど、彼の意見を聞いてみたいと思った。
「……有本くんは私や他人が見た少女は何だと思うの?」
ボンヤリではない、ハッキリとした姿を見せた私にそっくりの女の子。
有本くんはデッサンを止めて、その鋭い氷のような冷たい目を私に向けた。
「滝田先生はそれを見て怖かった?」
「……え」
私の心を探るような視線にドキリとする。
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