file 1 心理学研究部の美少年

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「そ、それは怖いに決まってるでしょ?暗闇の中に立ってたりするし……」 家のインターホンを鳴らされた事は話せなかった。 あまりにも怖すぎて……。 有本くんは、言葉を飲み込んだ私を鋭く見たまま、 「滝田先生の親戚とか 把握してないだけで似ている人が何処かにいるんじゃない?。 ……もしくは、先生の心が病んで見せたものなのか」 つまり、私の心を弱いと言っている。 祖父母が亡くなってから、孤独と戦ってきた私のことをーー 「あ!そう言えば数学の内田先生と婚約したよね? それでマリッジブルーに入ってストレスとか溜まってるんじゃない?」 有本くんの余計な推測に、他の生徒達がざわめき出した。 「え?」 「マジ?」 「ミノルちゃんと美紀先生、結婚すんの?」 婚約の話は生徒にはしていなかったからだ。
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