file 1 心理学研究部の美少年

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「え?」 「さっきの美術の時間に聞いちゃったよー! いつ結婚すんの?!」 「俺、密かに美紀ちゃん狙ってたのにー」 生徒達の冷やかしに、ミノルの背中がピクリと動いたような気がした。 そして、私の存在に気がついていたのか、ゆっくりとこちらを振り返る。 何か言いたげだ。 ううん。ミノルが言いたいこと、わかってる。 ″何でバラしたんだ?″……と。 「結婚したら美紀ちゃん転勤?」 「……その可能性はあるけど、私立だからどうなるかわからないよ。早く教室へ戻りなさい」 先ほどより口調が沈んだミノルは生徒達が側を離れると、私の方を再度振り返り、 「あとで」 と口パクで言っていた。 私はてっきり、またミノルは夜に家へ来るのだと思っていた。
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