file 1 心理学研究部の美少年

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美術部の部員が全て教室から出ていった頃。 ガラガラ……と静かにミノルが入ってきた。 その穏やかな顔はいつもと変わらない。 汚れた手を洗っている私のそばへゆっくりと近付いてくる。 「…… PC部も終わったの?」 「ああ」 副顧問をしている課外活動でもミノルはいつも遅くまで生徒達と話をしたりしていた。 今日は随分と早い切り上げ。 「……もう帰るの? それとも何か……」 ″用事?″ そう聞こうとした私の顔を、グッ…!とミノルが左手で掴んできた。 「美紀の口がこんなに軽いとは思ってなかったよ」
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