file 1 心理学研究部の美少年

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驚いた。 「こんな遅くまで部活やってるの?」 課外活動が許可時間はとうに過ぎていたから。 グラウンドの方からも既に生徒達の声はしなくなっている。 「一人しか部員いないからね。部活動らしい活動はしてないよ」 有本君は、答えながら靴を履き終えて、私をじっと見つめていた。 その目が鋭くて、つい視線を逸らした。 先ほどの淫行をもしかして見られたのではないかと思ったからだ。 「……私に何か用事?」 並んで歩くのを避けるように、彼より先に一歩を踏み出す。 目の前の静まり返る校庭はとても不気味だった。 「うん。一緒に帰ろうかと思って」 「私と?どうして?」 そもそも方向は同じ? 避けていた彼の目を見ると、17才らしい瞳になって私を見つめ返した。 「先生が見てしまうソックリさんを、俺も見たいと思ったからだよ」
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