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人は横になると思わず本音が出るものだと思う。
そばにいる人間に心を許していればいるほど。
「……疲れた……」
1日の終わりに好きな人に腕枕されながら呟くように吐いた。
「お疲れ……何が美紀を一番疲れさせたの?」
同じ教師でありながら、私のつまらない愚痴をいつも聞いてくれる寛大で頼もしい彼、内山 ミノル。
私の自宅を訪れても、すぐに恋人の行為に走らずにこうやって抱擁してくれる。
温かい腕の肌触りを楽しみながら言葉を続けた。
「最近の子供って……集中力ないよね」
「またそれか。俺も確かにそう思うけど生徒たちの親がネット世代だから仕方ないよ」
「……にしてもデッサン中にまでスマホ触ってるからね。上手くなりたくないのかな?って思っちゃう」
「そういう生徒は直ぐに美術部から去っていくよ」
「……かなぁ」
「そうだよ」
私の髪を愛しそうに撫でて心まで癒すミノルは、同じ私立高校の同僚で数学教師、32歳。
7才歳上の婚約者。
来年、結婚の予定だ。
「美紀みたいな美人な嫁さん貰える俺は幸せだ」
彼は横になると、いつもこう言ってくれる。
私も幸せだった。
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