file 1 心理学研究部の美少年

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ミノルはとても魅力的な男だ。 清々しいほど堂々した態度は生徒にも人気がある。 社交性があって人当たりが良いので友達からは「いい人見つけたね」と羨ましがられる。 付き合い始めて半年でプロポーズされた時は驚いた。 まだお互いに知らない事も多いはずなのに……と。 「私、殺人容疑者の娘なの」 15年前の事件の事を打ち明けても、結婚したい気持ちは変わらないと言ってくれた。 引き取られた母方の祖父母も亡くなり、身内がいない事も、 「問題ない。美紀を独り占めできるみたいで、むしろ嬉しい」 ネガティブに捉えることなく受け入れてくれた。 けれど、そんな彼に対して不安を感じることもある。 ーーそれは俗に言う、″性の相性″のこと。
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