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性行為に関して、特に人は嗜好が様々で、一般的に多く分類されがちなのが ″S″ と″M″の二つ。
ミノルは完全に″S″だと思う。
普段が甘く優しい言葉と雰囲気をくれるから、余計にそのギャップが大きい。
「ね……電気消して?」
「それじゃ俺は満足できないよ」
明るいリビングであっという間に服を脱がされる私。
「じゃ、せめてカーテン閉めさせて」
「美紀の恥ずかしがってる顔が好きなんだよ」
自分の欲求を満たすのが優先。
時には手荒に嫌いな体位を要求されることもある。
今のところ、そんな面があるのは性行為だけなのだけど……。
「美紀は俺の言う通りに動けばいいから」
祖父母から譲り受けた家で二人きり。
軋むソファー。
今夜も月に見守られながら、カーテンが開けられたままの窓を気にしつつ、夜の営みを続ける。
誰かに見られたらどうしよう?
いつもの不安がとうとう現実になる。
何となく背中に感じる視線……。
ミノルの上で揺れながら振り返ると、
「……!! キャッ……?!」
窓ガラスにはっきりと人影が映っているのが見えた。
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