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「……どうした?」
悲鳴を上げて、恐怖から視線をそらす私の下で、思うように腰を上下させていたミノルの動きも止まる。
「……今、窓の外に人が……」
「え? 」
「そこ……」
リビングの西側の窓に、確かに人影があった。
私を身体から下ろしたミノルは窓の方へと近寄って外を確認する。
「誰もいないけどな?」
「……本当にいたの」
「外の車のヘッドライトとかで何かの影が窓に映ったんじゃないの?」
「……」
けして、大きくはなかったけど、あれは人だった。
微かに残る震えを隠すように、ソファーの近くにあったタオルケットを身に纏う。
「美紀の感じる声に誘われた覗き魔かもな」
そんな私を楽しそうにミノルが眺める。
「……だから言ったじゃない。カーテン閉めさせてって……」
「だから、そんな風に恐がる美紀の顔が好きなんだよ」
鎮まらないままの身体を押し付けて、今度はミノルが私の上に覆い被さった。
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