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無理やり後ろめたく仕向けられ、戒斗の望む言葉を言わされたと気づくのはいつも取り返しがつかなくなってからだ。
「戒斗に操られてる気がする」
「おれは叶多に振りまわされている気がするけどな」
戒斗は可笑しそうに言い返してから、首もとまで手をあげて叶多の濡れた頬を拭いた。
「しばらく眠っていい。片づけまでにはまだ時間がある」
戒斗の腕が叶多の躰にまわってきつく抱いた。
その腕から満たされることのない飢えが伝わってくる。
頼は、押しかけてきた日から叶多だけ寝室に追いやって、戒斗と自分は和室で眠るというルールを勝手につくり、こうやって戒斗の腕のなかで眠ることすら妨げられている。
誘惑に負けて叶多は戒斗の言葉に甘え、躰をゆだねた。
-The end. Will be continued in the next time.-
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