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1．
コールは五回を数え終わると同時に通じた。
「戒斗です」
「めずらしいな。総領次位と連絡が取れるのはよほどのことでないかぎり、十一時までと聞いているが」
電話の相手はさほど驚いている様子もなく、むしろ、いつ電話が来るかと待っていたような口ぶりだ。
戒斗はタンスの上に置いた時計をちらりと見やり、十一時をとっくにまわっていると知って顔をしかめた。
逸楽から手が引けずに時間を忘れた自分に呆れ、小さく舌打ちした。
「遅くにすみません」
「いや、よほど、のことらしいからな」
仲介(ﾅｶｶﾞｲ)主宰の嫌味に戒斗は薄く笑った。
「当然です。仲介主宰の真意を聞かせてもらいたい。今回の件、どういうことですか」
「なんのことだ？」
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