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淡々とした社長の物言いに、不機嫌な気配を漂わせつつ苛立たしげな口調で。
「私嫌です!こんなコンテスト」
「落ち着いて!日本で初めてのデブ専コンテストなんだ。
優勝すれば、タイ国のスーパーモデルDEBUの大会に日本人として初めて
出場できるんだ!!」
「今日まで、ダイエットにはげんできたのに・・・」
「逆にもっとデブるんだ、コンテストに優勝すれば豚足女王として君臨できるんだ。
そうなれば、誰も豚とは言わなくなるよ!」
しからずんば、スーパーモデルDEBUというレッテルが・・・。
さりとて、恥を偲んでデブ専女王として君臨すべきか・・・。
迷いが法子を悩ませる、どちらにしても理想のスーパーモデル像からはほど遠い。
健康をとるのか、それとも見た目を取るのか?
「だけんど・・・だけんど!!!
私はピエロじゃないんだ、ピエロじゃ!!」
その証拠に法子の眼に飛び込んでくるのは、ところどころ肉がはみ出ている水着。
醜態をさらけ出している、ブルマー姿の参加者。
「もういや!スクール水着もブルマーも大嫌い!!」
大声で叫んだところ、法子が猪突猛進さながら楽屋から飛び出して行った。
「待ってくれ!デブ専女王は君しかいない、ランウェイは君のものなんだ!!」
人混みが不規則にうねる中、追い掛ける為雑踏の奥へと紛れ込んでしまう生田目社長。
その後、デブ専女王コンテストは第1回で中止になってしまったのである。
やはりというべきか、スーパーモデル協会DEBUはあっさり解散となり果てた。
「いくら権限を持ったとしても、嘲笑しか残らないのであればやむ無し・・・」
スーパーDEBU協会理事長の最後の言葉である。
しからずんば、蒲須田法子は懲りる事なくスーパーモデルを目指し、
実現に向けてダイエットに励んでいるそうだ。
そして、現在でもジャニーズアイドル・ロリポップを追いかけ回しているらしい。
(終)
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