第1章           JK蒲須田法子(かますだのりこ)

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しからずんば、法子には友達がいない。 それは、自分の方からひと目を避けていたのだ。 同級生から豚と言われていた事実に、抵抗を感じていたからである。 だからして、自分から友達を作らないようにしていたのだ。 そのせいと言われればそれまでだが、一応法子もスマホを持っている。 友達のない法子にとって、唯一の親友だ。 見るネットは、ジャニーズアイドルがMCを努めているネットテレビだ。 法子のスマホは回線契約をしていない為、コンビニのフリーWIFIに接続しながら ネットサーフィンを楽しんでいる。 ことの他、意外と通信速度は速くそれだけは有り難い。 ジャニーズアイドル(ロリポップ)は3人組で、配信番組は {君達のお陰で本社ビルが建ちました}だ。 ネットの中のアイドルは、テレビよりも魅力的に見えた。 芸能人になれれば、ジャニーズアイドルにも会える。 「絶対、モデルになってやる!」 硬く誓った法子、両手を強く握り締め闘士をたぎらせていた。 頑張る!でも芸人はNGだ。 今まで散々笑われてきたのだ、これ以上笑われてたまるか! 法子にも、女の意地があった。 そのかわり、痩せなければ! 自分のスタイルを鏡で見る時ほど、心が折れそうになることはない。 だからして、自分の醜態をさらけ出すたびに、ダイエット法が脳裏を過ぎる。 ネットを閲覧しているうち、いつの間にか午後5時になってしまった。
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