第1章           JK蒲須田法子(かますだのりこ)

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「そろそろ帰らねば・・・」 そう思った法子がコンビニを出た瞬間、後ろから声をかけられた。 「少しの間、お話よろしいですか?」 「はい?」 法子が振り向くと、貧相なひとりの男が立っている。 顔は丸顔だが、全体的に痩せていて少し猫背の姿勢だ。 そして、今時になんと全身タイツを着ている。 なんとなくとんねるずのモジモジ君だろうか、でも今までに見た事の無い芸人。 法子が、覗き込むように男を見る。 「ダサい!」 ひと目見て、絶句するような気色悪さだ。 「なんだ、この男は!!」 鼻の穴から鼻毛が伸びているではないか、人を小馬鹿にして。 それにしてもしからずんば、なんとブサイク! 何故、私には嵐の松潤のようなイケメンが寄ってこないのだろうか? さりとて、心の中ではそう思ってみても口に出して言えるはずもない。 だからして、ここはひとつ素直に聞いてみようと考えた。 「JKですか?わたくし、こういう者で」 男が名刺を差し出したので、しからずんば法子が受け取ると。 「CEO生田目滑央(なまためなめお)・・・なんですかこれ?」 思わず、法子がキョトンとした。 何故なら、名前からしてキモい! 「私は芸能事務所の社長です、先程から貴方に釘付けでした。 貴方こそ、モデルに最も相応しい方です」 生田目の瞳が、キラキラキラリ。
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