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一瞬、法子も驚きを隠せない。
やっと、見る目を持った人間がいたのだ。
「芸能関係の人ですか?」
男が素直に頷く。
その瞬間、法子の脳内物質ドーパミンが一気に吹き出した。
完全にセキュリティブロックが崩壊する。
今まで、男を寄せ付けなかったセキュリティロックが解除されたのだ。
「でも、私がモデルになれますか?」
「僕に任せてくれれば、貴方をスーパーモデルにしてみせますよ」
生田目の口角が上がると、瞳がキラキラキラリ。
流石に、法子も怪しいと思いもしたが。
「しかし、待てよ、このチャンスを逃せば二度と巡ってこないかも・・・」
これが最初で最後かもしれない。
考え直した法子は、男に媚びるように尋ねた。
「こんなデブの私を、どうやってスーパーモデルに?」
「適材適所という言葉があって、君もスーパーモデルになれる場があるんですよ」
自分がスーパーモデル・・・目の前の男がその期待に応えてくれるかもしれない。
いや、ひょっとしたらAV強制出演では!?
「本当に大丈夫?」
怪訝な表情の法子。
「グッジョブ!!」
それに対して、社長がさも自信ありげに右手の親指を立てた。
迷っていた法子も、思い切って決心。
既に彼女も、夢を掴んだ気分に。
「それでは、僕の事務所で契約を」
妙に説得力のある生田目の言葉に押され、赴く事に。
「どうぞ、こちらへ」
とりあえず言われた通り、法子も男のあとをついて行く。
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