アデリーペンギンのコロニーを襲う、巨大な氷山

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魔法使いが呪文を唱えると 水晶の玉は明るくひかり 浮き上がった (しかし 気をつけるように この玉はシャチやヒョウアザラシから) (おまえたちを守ってくれるわけではない 道案内だけだ しかし) (シャチやヒョウアザラシなどの敵が近づくと ひかりがきえるから) (すぐにどこかへ隠れるのだ わかったな) アデリーペンギンの長老が (さあ 一刻の猶予もならない すぐにたつのだ ) アデリーペンギンの父 兄 弟は水晶の玉に導かれて さっそく海にむかった コロニーの海岸を2キロほどはなれたところで とつぜん玉のあかりがきえた アデリーペンギンの父が (どうやらこの近くに なにかいるようだ そういえば昔きいたことがある) (ヒョウアザラシが岩に化けて 待ち伏せしていると-----きをつけて) (まわりをみてみよう ) といい終わらないうちに 岩だと思っていた中から ヒョウアザラシの巨大な 頭が飛び出してきた 大きく開かれた口が彼らにむかってきた アデリーペンギンの父が (さあ みんな 逃げるんだ 一緒だとみんなやられるから わかれて逃げよう) (無事な時はふたたび ここにもどってくるように) アデリーペンギンは三方に散らばってにげはじめた ヒョウアザラシはその中で 最もスピードのおそい父ペンギンに目をつけた 猛スピードで追ってゆく------ さて しばらく時間がたったころ 待ち合わせの場所には 兄と弟のペンギン が父ペンギンを待っていた しかしいつまでたっても父ペンギンは姿をみせない 弟のペンギンが(どうしたんだろう)兄ペンギンも(どうしたんだろう) (僕たちのために 犠牲になってくれたのかもしれない 先をいそごう) ふたたび水晶の玉は明るくひかり 行く先を示し始めた 玉は海岸沿いを はなれ 深い海の中へ向かって行く 兄ペンギンが (これからはシャチがこわいな おそわれたら いそいで流氷の下にかくれよう) 弟のペンギンが (それではいつまでたっても 洞窟の入り口にはつけないよ) (シャチがきたら 僕が犠牲になるから 兄さんは入口へ向かってよ) 兄ペンギンが (いや ぼくが犠牲になる おまえはまだ若い これからだ) (シャチがこない事を 祈ろう)
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