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兄弟ペンギンたちはどんどん深くもぐってゆく 水晶の玉のひかりだけがたよりとなる
やがて少し先におおきなまるい穴がみえてきた と その時水晶の玉のひかりがきえた
真っ暗になった海中に 不気味な音がひびく どうやらシャチのだす音らしい
兄ペンギンが(弟よ おまえは さっき見えたあなへ向かえ はやく)
弟ペンギンが(兄さんをのこしてはいけないよ 一緒にゆこうよ)
兄ペンギンが(みんなのいのちがかかっている はやくゆけ)
兄ペンギンは弟ペンギンに体当たりして あなのほうに押し出す
そして兄ペンギンはシャチをおびきよせるため 反対方向へ向かう
しばらくあとで 巨大なものが 猛スピードで兄ペンギンを追っていった
残された弟ペンギンに ふたたび水晶の玉がひかり 入口へみちびく
入り口に入った弟ペンギンはどんどん奥へ進む 弟ペンギンは泣きながら
(父さんも兄さんもいなくなり とうとう僕ひとりになった)
(はたしてオーロラさまのいる場所へ たどりつけるだろうか)
やがて海水はなくなり 洞窟がみえてきた さらに奥へあるいてゆく
小さな美しいひかりが行く手にみえてきた どんどんあかりが大きくなり
とうとう洞窟のひろい空間についた
なんといううつくしい光景だろう 洞窟がオーロラにみたされているのだ
弟ペンギンは泣きながら(オーロラさま! オーロラさま! いらっしゃるのですか)
(アデリーペンギンといいます 巨大な氷山がコロニーに近づいています)
(このままでは衝突してしまい コロニーは全滅します 助けて下さい)
(お願いします! お願いします!)
その時 洞窟にみたされていたオーロラが集まり始め うつくしい南極の守護神
オーロラの姿になった 南極の守護神オーロラが
(そなたのことはしっている なぜないているのだ)
弟ペンギンは
(ここへくるまでに お父さんとお兄さんが僕をたすけて 犠牲になりました)
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