出会い

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「初めまして美穂です、いらっしゃいませ」 最初に交わした言葉は お店の中だった お酒の席での会話などほとんどの話が嘘で 偽りと駆け引きの中での 出会いだった 北野は 「初めまして、木村拓哉です」 と名乗った、 飲み屋ならではの、 さむいジョークに 美穂は、さむいと思いながらも 仕事だから大笑いした 北野はどこか謎めいていた 何一つとして本当の話をせず、 彼女がいる 彼女のこと大好き 工場作業員 ってことだけ話した 美穂は 疲れていた。 正直相手が何をしていようが、何が嘘であろうがどうでもよかった、 普通の主婦の美穂は 家計を助けるために夜の仕事をすることになり 小さな子供がいる美穂からしたら、 相手が何をしているだの どんな話だろうが どうでもよかった。 どんな会話をしても 秘密にする 北野に最初何か不快感さえ覚えた しかし仕事と割り切って働く美穂は 仲良く優しく接した、 大幅に年下な仕事の取引先らしい男性と お互い敬語で話していた お店に入る前に北野と美穂は 店の前ですれ違っている、 美穂が仕事に行く前に ビルの外で スーツを着た二人組が お店選びをしていた、 ビル全部が 上から キャバクラ オバクラ フィリピンパブ と 全てのジャンルが このビルですませれるシステムになっている。 男性二人はビルの看板を見ながら 「どうします?」 「若い店がいいです」 そんな話しをしていたので 話すことはないか と美穂は思っていた すると何故かそのスーツを着た二人組が お店にいた、 どうやら上の若い女の子がいるキャバクラは満席で入れず、 美穂の働いているおばさんキャバクラにきたのだ 美穂は 外の話を聞いていたから 何だか嬉しかった 何?何? 若い女の子目当てできたのに、おばさんと飲むなんてかわいそう と思った。 何歳ですか? 「35歳」 え?まさか どう見ても42歳くらいの北野が まさか自分の一つ上ということに驚きを隠せなかった。 そして嬉しかった おばさんばかりが働くお店で年の近い男性に会うのは 珍しく 本当に友達のような感覚で会話をすることができた。 秘密主義できっと嘘ばかりの話が その頃の疲れていた美穂には 何故か妙に心地よく、 自分に対して興味がなさそうな姿が とても楽に接することができた。 キャバクラなれしてる北野と 働いている美穂 あのとき お互いに二人が恋に落ちるなんて 絶対に思わなかっただろう
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