別れ

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別れ

バーへついた頃には もうすでにベロベロだった 二人は 酔った勢いでキスをした、 何年も夫以外の人とキスなんてしたことのない美穂は 身体中に電流が走るような感覚になった。 うれしい反面いけないことへのはじまりだと、 次の日に後悔した、 またその次の日に 北野は店に現れた、 ベロベロで記憶のないだろう北野は、 酔ってマンションをパンツも履かずに徘徊してらしい、 ただの変態だ、 美穂 「ねぇ、昨日のこと覚えてる」 北野 「覚えてるよ、うれしくて」 その言葉が本当に嬉しかった 同じ気持ちでいてくれていたのだ と きっと 北野からすると ちょっとしたリップサービスだろうが、 美穂はそれでも嬉しかった。 楽しい気持ちと苦しい気持ちが入り組んだ 一回外で会ってしまうと、 何度も会いたくなるもので、 何度も北野を求めた、 もとめれば もとめるほどに 愛が溢れ出し、 もう自分では波動が効かないほどになっていった。 彼女がいる彼 結婚をしている美穂 それを隠している苦しさ それから間もなく 美穂は誕生日をむかえた、 その日も仕事でお店にいても、 北野は顔も出さなかった 美穂 「誕生日こないなんて薄情者だね」 北野 「自分のペースでしかいかないよって言ったじゃん 行きたくなかった」 と言われ 胸にグサリときた わかっていたけど、 胸を締め付けた、 自分のことを遊びだろうか と感じるたびに、 忘れられるならば、 もっともっとそれを 心のどこかで、 求めた。 12月になり 二人の関係は続いた、 街はイルミネーションに彩られ、 お店では おじさんが、 クリスマスキャロルを歌う そんなに イベントごとを気にしない美穂も、 久しぶりに男性と親密な関係になったことで、 少し浮かれた 美穂は付き合った男性がいつも夢中になる そんな自身を持っていたから、 何とかいいながら、 絶対自分に会いたいはずと そんな自信をもっていた、 クリスマス当日 何時になっても北野は現れなかった 美穂は虚しさと怒りを覚えた 次の日 「何で会いに来てくれなかったの? 本当に悲しかった」 北野 「どんまい」 とだけ返事がきた、 この言葉が一番胸を刺した こんなにも色々なことを考えて悩んだ恋愛が 相手からしたら、 本当に、 ただ言いよってきた女 のあしらいに これで、 この言葉で本当に終わりだ! そう思った それから 北野と、美穂は連絡をとらなくなった
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