20人が本棚に入れています
本棚に追加
「かあさん!!かあさんてば!!」
「えっ?」
「かあさん!!やめてくれよ!!急に抱きついてくんなよ!!」
「そんなに怒んなくてもいいじゃないのよぉ(くすん)」
アタシはショボンとした声で言うたので、たけのりはアタシにこう言い返した。
「かあさん…この頃おかしいよ…」
「どうしたのよ急にぃ…」
「この頃、オレの顔をジロジロと見てばかりいるけれど…どうしてオレの顔をジロジロと見つめているのだよ!!」
「だってぇ…好きなんだもん…」
「好きなんだもんって…」
「たけのりのことが好きなのぉ…」
「かあさん!!わけの分からんこと言わんといてくれるかな!!」
「どうしてそんなに怒んのよぉ…」
「かあさん…おかしいよ…どうして息子のオレに欲情しているのだよ!!」
「だって好きなんだもん…」
「ああ!!ワケわからなくなったよ!!かあさん!!かあさんはどうして息子のオレが好きだと言うのだよ!!それだったらカレ作れよ!!」
「だってぇ…いい男いないもん…」
「そんなことばかりを言うているから好きなカレができないのだよ!!」
「カレいらないもん…」
アタシは、すねた声でたけのりに言った後にひと間隔置いて、カノジョはいるのとたずねた。
「たけのり…たけのりはカノジョいるの?」
「いないよ!!」
「いないの?」
「だから、好きなカノジョはいないと言っているだろ!!かあさん!!かあさんはオレにどうしてほしいのだよ!!オレにカノジョがいる方がいいよと言いたいのかよ!!」
「だってぇ…好きなんだもん…」
「かあさん!!いいかげんにしろよ!!息子は息子!!どんなにかあさんがオレのことが好きだと言っても、男にはなれないのだよ!!」
「だってぇ…いい男いないもん…」
「やめてくれよ!!この頃おかしいよ…急にキスしてきたり、風呂場の入り口で服を脱いだり…オレがお風呂に入っている時にいきなり入ってくるし…」
「だってぇ…好きなんだもん…」
「もういい!!ごちそうさま!!」
たけのりは、朝ごはんをだいぶ残してイスから立ち上がった後、ウグイス色のカバンを持って出かけようとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!