濡れていたいの…

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「かあさん!!かあさんてば!!」 「えっ?」 「かあさん!!やめてくれよ!!急に抱きついてくんなよ!!」 「そんなに怒んなくてもいいじゃないのよぉ(くすん)」 アタシはショボンとした声で言うたので、たけのりはアタシにこう言い返した。 「かあさん…この頃おかしいよ…」 「どうしたのよ急にぃ…」 「この頃、オレの顔をジロジロと見てばかりいるけれど…どうしてオレの顔をジロジロと見つめているのだよ!!」 「だってぇ…好きなんだもん…」 「好きなんだもんって…」 「たけのりのことが好きなのぉ…」 「かあさん!!わけの分からんこと言わんといてくれるかな!!」 「どうしてそんなに怒んのよぉ…」 「かあさん…おかしいよ…どうして息子のオレに欲情しているのだよ!!」 「だって好きなんだもん…」 「ああ!!ワケわからなくなったよ!!かあさん!!かあさんはどうして息子のオレが好きだと言うのだよ!!それだったらカレ作れよ!!」 「だってぇ…いい男いないもん…」 「そんなことばかりを言うているから好きなカレができないのだよ!!」 「カレいらないもん…」 アタシは、すねた声でたけのりに言った後にひと間隔置いて、カノジョはいるのとたずねた。 「たけのり…たけのりはカノジョいるの?」 「いないよ!!」 「いないの?」 「だから、好きなカノジョはいないと言っているだろ!!かあさん!!かあさんはオレにどうしてほしいのだよ!!オレにカノジョがいる方がいいよと言いたいのかよ!!」 「だってぇ…好きなんだもん…」 「かあさん!!いいかげんにしろよ!!息子は息子!!どんなにかあさんがオレのことが好きだと言っても、男にはなれないのだよ!!」 「だってぇ…いい男いないもん…」 「やめてくれよ!!この頃おかしいよ…急にキスしてきたり、風呂場の入り口で服を脱いだり…オレがお風呂に入っている時にいきなり入ってくるし…」 「だってぇ…好きなんだもん…」 「もういい!!ごちそうさま!!」 たけのりは、朝ごはんをだいぶ残してイスから立ち上がった後、ウグイス色のカバンを持って出かけようとしていた。
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