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「たけのり…」
「なんだよぉ!!」
「学校に行くの?」
「そうだよ!!」
「夏休みなのに、学校って…」
「サマースクール!!サマースクールなんだよぉ…」
「どうしてなのよぉ…アタシさみしいのぉ…」
「だったら、カレ作れよ!!」
「(すねた声で…)いい男いないからカレいらないもん…」
「だからかあさんはカレができないのだよ!!ああもう!!いってくる!!」
たけのりは、突き放すような声でアタシに言った後にカバンを持って家から出ていった。
ひとり部屋に取り残されたアタシは、大きくため息をついた後に、ソファーに座った。
どうして…
どうしてなの…
アタシ…
たけのりのことが好きなのに…
たけのりにきらわれてばかりだわ…
アタシ…
悲しい…
アタシは、寝室に入った後、鏡の前に座ってフリフリがついているエプロンをとったあと、鏡に写っている自分の顔を見つめていた。
アタシは…
どうして、たけのりのことが好きになってしまったのかな…
たけのりは…
アタシが18の時に、胎(おなか)を痛めて産んだ長男だけど…
たけのりが16歳の誕生日の日のよるに…
アタシの乳房(むね)の奥で眠っていた願望が…
目覚めそうになっていたのよ…
その時に…
アタシは…
たけのりのことが…
好きになってしまったの…
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