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「……何か言えよ、このバケモノ!!
俺も、この街もまた焼きつくすつもりなんだろう!俺も……俺もさっさと」
突然、叫んでいた下働きの男の体が抵抗をやめた。
糸が切れた操り人形のようにがくりと動かなくなった。
スェマナのすぐに隣にいたハンキレンダの手に光る短い棒が握られている。それを見てやっと、スェマナにはハンキレンダが何かの魔法を使ったのだとわかった。
倉庫の入り口付近にいたヤヅァムと目が合う。
ヤヅァムの口がわなわなと動いた。
「おれじゃない!」
ヤヅァムは悲鳴のような声をあげて、走ってどこかへ行ってしまった。
「スェマナ、追え」
鋭く短く、領主であるキュイールに命令され、ハンキレンダにバシンと背を叩かれる。
スェマナはうなずいて駆け出した。
何しろスェマナは疾速の乙女、とここでは呼ばれているのだ。
絶対、追い付く。
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