あの日

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スェマナには想像がつかないようなひどい光景だったのだろう。 その中で、たった一人、目覚めたばかりの魔力で魔物と戦ったのだろうか。 生きている者がいないか、村じゅうを探してたのだろう。 だから、スェマナの姿が無いことに気がついてくれた。 スェマナは何も見ていない。 ただ、あんまり子供のようにヤヅァムが泣くので、自分は泣けないな、とぼんやり思った。 スェマナの頭の中はぐぁーん、ぐぁーん、とまるで鐘が鳴っているようだった。
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