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ミシィハはヤヅァムの事を誤解していた、と謝罪した。彼が覚えている限りの、村の情報を残して雇い主の所に帰っていった。
ヤヅァムは落ち着かせる為に、眠たくなるお茶を飲ませて休ませた。一夜明けたら、もう一度話を聞いて、作戦の役に立てるらしい。
スェマナも落ち着きたい、と思って暖かい飲み物を用意することにした。
キュイールとハンキレンダ、オリギトにも同じお茶を出す。どこかホッとしたような顔になったので、彼らもどことなく落ち着かない気持ちだったのだろう。
彼らにとっても、ヤヅァムのあの様子は衝撃的だったのだ。
「スェマナは何も知らなかったのか」
ハンキレンダが低い声で聞いてくる。スェマナはうなずいた。
「イァサムの畑から、村の様子は見えない、ん、です」
微妙な沈黙が流れ、スェマナはまだ熱いカップを両手で包むように持って、俯いた。
そろそろ部屋に明かりを灯さなければ。調理場の手伝いをしている余裕は最近なかったから、明日辺りにでも一度、顔を出して来よう。次の納入日までに、予算や作戦が決まっていたら、いいな。
「スェマナ、君がほしい」
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