決行

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大人数、圧倒的な武力で、魔物に占拠されていた村を人の手に取り戻す。 その作業を、スェマナはイァサムの畑の側から眺めていた。 時折、こちらにも流れてくる魔物を数名の騎士達と倒していく。 空に巨大な、光でできた模様が描かれた。 その中心は、あの井戸の辺りだ、とスェマナはどこか他人事のように、雑草の生い茂る地べたに座り込みながら思っていた。 きつい坂を登って、村のあった場所には、燃えかすと、焦げた石、土、雑草と、魔物だったものしかない。 向こうのほうには得意そうに、仲良くなった数人の騎士達と一緒になって、上気した顔を綻ばせていたヤヅァムがいた。 きっと、ヤヅァムは村を取り返すことが出来たのだろう。 ここには新しく建物が建ち、入植者達と新しい村が作られていく。 前に工夫の案をいくつか話していたから、これからの村は水汲みだって楽になるはずだ。 村と同じように荒れ果てた、イァサムの畑にはまばらに実が生っていた。 「スェマナ」 追いかけてきたのか。ヤヅァムの声は希望に弾んでいる。 「ヤヅァム、あたし、この畑にたくさんのイァサムの実がなるところが見たい」
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