4 いざ港町へ

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結局、橋を渡ってしまうと、地ビールレストランの中に入ってしまいそうな夏樹を止めることは出来ないと、ブルーウィングの手前で、跳ね橋があがるのを眺めることにした。 やがて、女性の声のアナウンスと共に、まず向こう側の子橋が動き始める。 「へぇ、割とゆっくり動くんだ」 冬依が好奇心でいっぱいの瞳で眺めながら言う。 確かに、橋の真ん中から一気に開くわけではなく、小さい方の片側の橋からゆっくりとあがっていく。 その様子は、なんだか大きな動物がのんびりと、顔をあげていくような。 キリンか馬が、長い首を空に向けて伸ばしていく感じだ。
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