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2 イケメン4兄弟
4人の男の人、それに鈴音が一緒に住んでいるのだから、もしかしたら大豪邸なのかと思ったら、外観はちょっと大きめのマンションだった。
「4LDKなの。そのうちのひと部屋を、私が使わせてもらってる」
そして鈴音は、婚約者と同じ部屋で過ごしているわけではないという。
「それじゃ本当に同棲じゃなく、同居じゃん」
婚約者とその弟たちの中に、たったひとり混ざる鈴音。
「ねえ鈴音、それって本当に大丈夫なの?」
つい心配になって聞いてみると、
「大丈夫って何が?」
逆に聞き返された。
透子は、
「何って、男ばっかりの中で暮らすことよ。家事も鈴音ひとりがやってるんでしょう」
もしかしたら鈴音は、家政婦がわりとして、婚約者にいいようにこきつかわれているのかもしれない。
来る前は楽しみにしていた鈴音の婚約者だが、弟の世話を鈴音ひとりに押し付けて、鈴音のことを利用しているのだとしたら、会って、ひとこと言ってやらなければ気がすまない。
でも鈴音は、
「私ひとりってことはないよ。次男の夏樹なんか調理師だから、食事の支度はお手のものだし」
「えっ!」
透子はまたまた驚く。
「弟さんって、未成年の子ばかりじゃないの!?」
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