1 幼なじみ

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冬依は、 「久しぶりに会ったお友だちなら、積もる話もあるでしょう。僕のことは気にしないで」 なんて大人びたセリフを言って、透子と鈴音を隣り同士に座れるソファーに、自分は通路側の椅子にひとり腰掛けていた。 そこで、透子と鈴音には関心をもたない素振りで、チョコレートパフェなんかを食べている。 柄の長いスプーンを、小さな口に咥えるサマは、 『……うっ、可愛い』 どこからどう見ても、紛うことなき美少女である。 『これで男の子……』 なんとなく納得できない思いを抱えて、ぼおっと冬依を眺める透子に、 「透子?」 鈴音は、ふいに名前を呼んでくる。 透子は、はっと我に返って、 「あ、ごめん。でも違うって、それはどういう意味?」 急いで話題を、鈴音の同棲の話に戻した。 鈴音は、ちょっと言いにくそうに、 「うん、同棲っていうより同居なの。冬依くんとか、春さんの兄弟がみんな一緒だから」 「え?」 さすがに透子も驚く。 「みんなって?」 「うん。春さんの2番目の弟と3番目の弟。それからもちろん冬依くんも一緒」 「じゃあ冬依くんって……」 「うん4番目の弟。春さんは4兄弟の長男なの」 「――え」 絶句した。
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