1 幼なじみ

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透子の兄弟といえば姉がひとりいるだけで、姉妹だ。 だから男兄弟なんてのは、さっぱり想像もつかず、その上、一緒に暮らすとなると、まったく範疇外である。 「……それ、どんな気分?」 思わず聞いてしまった。 すると、 「じゃあ、ウチに遊びに来てください」 それまで、こちらにはまったく無関心だった冬依がフイに言う。 「ウチにどうぞ。お姉さんさえ良ければ、泊まってくれたっていいし」 「え、泊まるって、そんな――」 透子が驚くと、鈴音も、 「そうよ冬依くん。透子には仕事だってあるし」 重ねて、 「お休みはいつまで?」 と聞いてくれる鈴音に、うっと言葉に詰まる。 すると冬依が、 「お姉さんはしばらくお休みでしょう。それとももう、新しい仕事が決まってるんですか?」 聞いてきた。 「え?」 「え?」 透子と鈴音は同時に冬依を見つめ直す。 冬依はふたりの視線にさらされても、特に表情も変えず、パフェの長いスプーンを弄んでいた。
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