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透子が、
「冬依くん、私が仕事辞めたってこと、どうして知ってるの?」
気を取り直して聞けば、
「え? 透子もお仕事辞めちゃったの?」
隣りの鈴音がいよいよ驚いたように尋ね返す。
透子は、
「うん。だから時間が出来て、こっちに遊びに来られたっていうのもあるの。って透子もって、鈴音もなの?」
さっき火事の話までは聞いたが、仕事の話までは進まなかった。
つい質問を質問で返してしまう。
すると鈴音は、
「……うん、いろいろあって。ここではちょっと話しにくいかな」
決まり悪そうに首をすくめる。
鈴音にも、そんなにひと目をはばかる訳があるのか。
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