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さっき会った冬依みたいな、可憐で可愛い弟ばかりなら、さすがに放置は出来ないだろう。
それなら、鈴音が婚約者の元に身を寄せるのも仕方ないと思っていた。
だけど調理師というのなら、少なくとも18、いやハタチは越えているのではないか。
それで聞いてみると、
「ううん、夏樹は私らと同じ年だよ」
「えっ!」
「ダイニングバーとかで仕事してるの。今はちょっと休んでいるから家にいるはず」
さっき冬依が、留守番をしている次男と透子を迎える準備をしておくと言って、先に部屋へと戻っていった。
それは、透子と鈴音をふたりきりするための、冬依なりの配慮だと思えたし、
「今日はウチの中学校、創立記念日なんだ」
という冬依の言葉を信じれば、マンションで待っている次男くんとやらも、冬依と同じ中学生か、それとも中高一貫のところに通っている高校生だと思っていた。
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