第1章 3000万のベッドイン

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第1章 3000万のベッドイン

「ここに、3000万ある」  そう言うとエンドは鞄を乱暴に開けた。  中から零れる、札束。  そのひとつを掴むと、エンドは凍りついたように立ち尽くす俺の頬に当てる。  新札の独特な匂いと張りつめた冷たい感覚が、目の前の非現実感を、現実へと変えていく。 「この金で、お前を俺の好きにさせろ」  エンド――俺が、これまで100万で買っていた男は、茫然としている俺にそう宣言した。
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