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一瞬、こいつの満面の笑顔が脳裏に浮かんだ。
エンドの時には決して見せない、遠藤の顔。
次の瞬間、俺の首筋にエンドの手が伸びた。
奴を買っていた時でもありえない位の丁寧さでボタンが外され、服が脱がされていく。
「はぁあ……んっ」
甘く。
ひたすら甘く。
エンドの舌が、俺の身体を這う。
乱暴だったのは押し倒された一瞬だけ。
露出した肌に、唇が降った。
その甘さ暖かさに抵抗を忘れる。
いつの間にか唇から這い出た舌が、身体を侵略する。
「やっ……ぅ」
触れた途端、ぞくりとした感覚が全身に流れる。
ああ、こんなにも反応するつもりはなかったのに。
だけど、抗えない。
これは、この感覚は、快感だ。
いつの間にかエンドが与える甘い快感が、指先一本一本まで、俺の全身を支配していた。
胸を這い、腰を刺激して。
いつもの、こいつに抱かれる時のように。
……違う。
今までの事務的な愛撫とは、決定的に何かが違った。
快感を引き出すためだけの丁寧さは、そこにはない。
「んく……んぅう……」
胸の、鋭く快感を引き出す箇所を避けその周囲を愛撫される。
ゆるり、ゆるりと優しく。
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