第1章 3000万のベッドイン

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 そう。  エンドの行為は、優しかった。  俺の好きにさせろ。  その宣言とは相反する態度。  なんで、なんでなんだよ……  こいつの考えが、分からない。  今まで好き勝手やってきた俺の、あてつけ?  契約を突然終了させた、腹いせ?  けれどもそれを突っ込む余裕は俺にはなかった。 「あ……あぁ」  散々胸周辺を刺激した舌は、その中心、刺激を待ち受けている箇所を素通りして下に移る。  半年間、俺の全てを知り尽くした舌が、腰に、臍に。  下半身も同様で。  熱く熱く待ち受ける部分だけを外し、思う様刺激する。  それを繰り返す。 「く……ふぅ、んっ」  更なる刺激が放置された部分の飢餓感を高め、身を捩る。  ああ、早く。  焦らしている場所に、早く!  そう頼めば聞いてくれそうな優しい愛撫に、思わずそれを懇願しそうになる。  けど、駄目だ。  今、買われているのは俺の方だ。  俺が、あいつの望みを叶えなければいけない。  だから、駄目なのに…… 「あ、あぅっ、や、だめ、そこ……っ」  零すまいと堪えていた嬌声と共に、少しずつ願望が漏れ出てしまう。 「そこ……何?」  冷静なままのエンドの声。 「あ……」  それに僅かな理性が反応し口を閉じるが、どうやらそれでも許してくれなかった。 「何? 買われた癖に、何もできない癖に、何か欲しいのか?」 「んっ、な、にも……っ」 「嘘付きだな」 「ひっ……ん!」  不意に胸の突起を弾かれる。  想像以上の刺激に、快感に、背中が仰け反る。 「言えよ。正直に。サービスしてやるかもしれないぜ?」 「あ、ん……」  エンドの言葉が、刺激を望む身体に染み込む。  全身が、欲していた。  エンドを、奴が、与える快感を。
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