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そう。
エンドの行為は、優しかった。
俺の好きにさせろ。
その宣言とは相反する態度。
なんで、なんでなんだよ……
こいつの考えが、分からない。
今まで好き勝手やってきた俺の、あてつけ?
契約を突然終了させた、腹いせ?
けれどもそれを突っ込む余裕は俺にはなかった。
「あ……あぁ」
散々胸周辺を刺激した舌は、その中心、刺激を待ち受けている箇所を素通りして下に移る。
半年間、俺の全てを知り尽くした舌が、腰に、臍に。
下半身も同様で。
熱く熱く待ち受ける部分だけを外し、思う様刺激する。
それを繰り返す。
「く……ふぅ、んっ」
更なる刺激が放置された部分の飢餓感を高め、身を捩る。
ああ、早く。
焦らしている場所に、早く!
そう頼めば聞いてくれそうな優しい愛撫に、思わずそれを懇願しそうになる。
けど、駄目だ。
今、買われているのは俺の方だ。
俺が、あいつの望みを叶えなければいけない。
だから、駄目なのに……
「あ、あぅっ、や、だめ、そこ……っ」
零すまいと堪えていた嬌声と共に、少しずつ願望が漏れ出てしまう。
「そこ……何?」
冷静なままのエンドの声。
「あ……」
それに僅かな理性が反応し口を閉じるが、どうやらそれでも許してくれなかった。
「何? 買われた癖に、何もできない癖に、何か欲しいのか?」
「んっ、な、にも……っ」
「嘘付きだな」
「ひっ……ん!」
不意に胸の突起を弾かれる。
想像以上の刺激に、快感に、背中が仰け反る。
「言えよ。正直に。サービスしてやるかもしれないぜ?」
「あ、ん……」
エンドの言葉が、刺激を望む身体に染み込む。
全身が、欲していた。
エンドを、奴が、与える快感を。
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