30人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぅ…… ほ、しぃ」
「何を」
「……っ」
だからと言って素直に言う程立場が分からないわけではない。
力の抜けた唇を、必死で噛みしめようとする。
が。
「んぅ……っ」
エンドの指が、胸の突起に触れる。
待ち焦がれた、その場所に。
そのほんの僅かな刺激だけで、その抵抗はすぐ崩れ去ってしまう。
もう、駄目だ。
言うしか、ない。
「あ、ぅ……お、まぇが……」
「ちゃんと名前で」
「……し、終……ぁあっ!」
「間違えるな!」
終、と口にした瞬間。
今までのやたら甘ったるい愛撫とはまるで別物のような鋭さで、胸を抓られた。
やられた胸の真芯はじりじりと熱く、俺を焼く。
エンドはそれだけでは済まさないといった様子で俺の頭を掴み、ソファーに乱暴にこすり付けた。
そして耳元で囁く。
「エンド、だ」
あぁ、そっちの名前か……
源氏名しか呼ぶのを許されないのかと、一瞬胃の中につうっと冷たい血が流れる。
それでも、与えられた感覚は俺の中に澱み渦巻いていて。
「……エンドを、くれ……」
「何だって?」
「エンドが、欲しい」
「どうやって」
「お、俺の中に、挿れて、ほしい……っ」
「よし」
そう告げた次の瞬間、衝撃が来た。
「あっ……あぁああああっ!」
最初のコメントを投稿しよう!