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どうしたら、いいんだろう。
どういう感情を持てばいいのか、分からなかった。
独占したいと知って、嬉しかった。
笑顔を見たいと言われて、嬉しかった。
だけど、3000円。
だけど、無理矢理な凌辱。
つい先程までの行為は、重苦しく引っ掛かっていて。
「――俺、お前と映画に行きたかったんだ」
「……ああ」
「シュウとは、何もない。シュウとじゃない、お前と」
「――俺もっ」
遠藤はがばと顔を上げる。
「俺も、3000万円貯める! そしたら、お前と――」
「無理だろ」
「……」
冷たく言い捨てる。
3000万円なんて、決心してすぐ貯まる額じゃない。
唇を噛む遠藤の顔を、まじまじと見つめる。
後悔と、苦渋と、その他悲痛な感情が全て混じったような顔。
――ああ。
俺、こいつのこんな顔は見たくない。
俺が見たいのは…… いつも脳裏に浮かぶ、こいつの表情が思い浮かぶ。
同時に、どうすればそうなるのか、はっきりと気が付いた。
「あ、後払いで、構わない――」
遠藤の目が、驚きで見開く。
その表情も悪くないなと、ふと思う。
――そして、俺の方から唇を重ねた。
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