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ぬしの弔い滞りなく
墓に納めて40と9日、やっと後追い出来るぞと
墓の前で何度も何度も、手を切り首を切り
血すらも吹かず元通り
約束守るぞ、すぐ行くぞ
誓った側から絶望が
虚し、涙がホロホロと
頬を伝って墓石濡らす
刃物も薬も何もかも
試す度毎、絶望が我の心を食い破る
「どうかの、出家してみたら?世間は広い、死ぬる方法有るやも知れん
字を知り書物を紐解いてみんか」
寺の和尚が見兼ねて諭す
我はアヤカシ、人魚ぞと
脅してみてもこの坊主
「この世はヒトと獣のみならず」
言葉に従い、髮、落とし
櫛は大事に桐箱に
時には取りだし、眺めては
気を入れ直して学問に
死に方探しの学問が
いつしか、生き甲斐、人助け
全くこの世は解らない
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