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庵を編んで黒法衣 数珠を鳴らせば
「比久尼様」
あちらこちらで呼ばれて呼んで
いっぱし比久尼になっていた
探しているのは死ぬ方法
悟りを開く為じゃ無い
それでもヒトの思いには
触れれば熱く離れりゃ寒く
こりゃこりゃせめての慰めよ
短いヒトの間、ちょっとでも
役に立つなら喜びよ
ふらり、ふらふら
いつの間にやら
我をアミメと呼ぶものもなく
ふらり、ふらふら
気がつけば
人魚の力もヒト並みに
瞬く間の八百年
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