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「…………」
何となく釈然としないものを感じながらも夏目はスクーターに跨り直した。
その背中を、
細く開けた扉から女主人が見つめていたのを、
彼は知る由も無かった。
数日後、
カウンターに座った常連さんが声を潜めた。
「例の空き巣事件ね、
近くの商店街もやられたそうだよ。
日中、
店に人が行ってて、
家の方に人がいない時間を狙われたってさ。
どうも商店と隣接した住宅ばかりを狙っているらしいって。
この辺も危ないかもしれないから、
気をつけてたほうがいいよ」
「そうですね、
気をつけます」
冷酒の入ったガラスのお銚子を出しながら、
秋月。
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