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「そうですか……そちらも気をつけてくださいね。
日中は奥さんとお祖父ちゃんだけでしょう?」
絵蝋燭屋の倅は普通の会社勤めをしているサラリーマンだ。
蝋燭屋も俺の代で終わりだ、
と言うのはそこの主人の口癖になっている。
「大丈夫ですよ。
ウチなんて盗むものもないですもの」
色白の頬がにっこりと緩む。
「何かあったら、
いつでも声をかけて下さいね」
夏目の言葉に、
はいと頷いて。
若奥さんが店に戻っていく。
「秋月さん、
これ、
回覧板です」
戻ってきた店の中。
ああ、
とカウンターの中から手を伸ばして秋月が受け取る。
「女の人って、
子供が出来ると綺麗になるって、
本当ですね」
台拭きを手にとって、
しみじみと夏目。
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