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「笹巻き、
巻いたことあるか?」
訊かれて夏目が瞳を瞬かせる。
「笹団子ですか?」
「いや、
笹団子ではなくて粽だ。
こっちでは粽の事を笹巻きというんだ。
笹団子のことはつの巻きと言う。
牛の角に形が似ているからとかいうが、
本当かな」
「柄のついた細長い三角の粽なら、
作った事ありますけど」
夏目の言葉に、
いいやと秋月が首を振る。
「正三角形に包むんだ。
一枚をこういう風に三角に折って、
中にもち米を入れる。
その上からもう一枚で蓋をするように巻いて、
すげで結ぶ」
説明しながら、
鮮やかな手つきで秋月が三角形にもち米を巻く。
見よう見まねで夏目も笹を巻き始めた。
元々手先は器用で覚えはいい方だから、
直ぐに速度は上がっていく。
あっという間に百個ほどの笹巻きが出来上がった。
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