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「デザートは笹団……つの巻きですか?」
顔を上げた秋月が笑う。
「そうだな」
「あ、
餡を煮るなら小豆が足りないかも。
俺、
ちょっと行って買ってきます」
夏目が身軽く腰を上げた。
行って来ますと店を出てスクーターに跨る。
小路を曲がった信号のない交差点で一時停止をして、
夏目がふと眉を顰めた。
交差点の向こう角、
長いこと空いていた小さな店舗に最近喫茶店が入った。
その店の女主人が外に出ている。
その前に立っているのはグレーのパーカーを深くかぶった男。
ふっとこちらを振り向いたその顔には黒いサングラス。
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