第1章

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軽井沢バス事故の報道も、今振り返るとおかしかったと思う。 最初にルート変更が問題にされ、危ないルートを選んだと非難された。 しかし、あのルートは、かっては有料道路だったし、上信越道路が開通するまでは、あのルートしか無かったし、夜行のスキーツアーバスは、それこそ累計なら百万台は通っていると思う。 それは長野県警は良く知っていたはずなのだから、それを危険なルートと発表したなら、何故という疑問を感じるのは、俺だけだろうか? 次に報道されたのは、土屋の運転技術だった。 中には俺が批判した『麻布自動車の高橋』という道化まで引っ張りだして下手だ、慣れていないという報道のオンパレードだった。 しかし、長さは違うけど、大型ダンプを十数年も運転していた人間が、初心者でも確実にブレーキを踏む場所で、ノンブレーキで事故など考えられない。 その報道が下火になり、消えたのも当たり前の話しで、最終的には速度が時速96キロ……あの急な坂急なカーブの多い場所で、高速道路を走行する車の半数近くより早いとは…… 勝原と話した事があったが、俺は限界がカウンターを当てて80キロだと言い、それ意外なら70キロだと言うと、俺がそうならそうだろうね。やはり70キロを超えたら滅茶苦茶危なかったと答えた。 勝原が運転していたと皆が考えたのは、勝原のこんな所を皆が知っていたからだが、それでも70キロ…… いかに96キロが法外な速度か良く判るだろう。
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